住宅は新築して子、孫、曾孫・・と受け継がれ周りから『古民家』と言われる伝統文化を纏った住まいに成長していきます。『古民家』には共に生きてきた人々の歴史があり、家の記憶として刻まれ私たちに多くのことを教えてくれます。
これら歴史的建築物は伝統構法に適した保存改修により、防火性・耐震性(耐震診断・耐震補強など)を向上させ、現代の暮らしにあった快適でモダンな空間を実現できます。
【温故知新】古さと新しさが違和感なく同居し、新たな時間を紡ぎます。
2013年完成
西粟倉村の鉄道沿いの高台に建つ、築110年の古民家です。
工事前
構造補強と省エネ施工
完成
2013年完成
久米南町の棚田を見下ろす高台に建つ築100年の民家です。高齢の父親との同居を機会に「快適で安全な暮らし」のため、バリアフリー改修、省エネ改修、耐震補強改修を併せて行いました。玄関を入ると広い土間空間と板の間があり、昔からご近所とのコミュニケーションの場や農作業場として使っていました。この土間にご主人の念願であった大型薪ストーブを設置し家中の暖房と家族の語らいの場にしました。
ご主人のもう一つの要望が構造の補強で、補助制度を利用し耐震診断から耐震補強計画を行い耐震化をはかりました。バリアフリー改修は床の段差解消、引戸、出入口の幅、手摺、浴室改善を行い、省エネ改修としては、床、壁、天井に断熱材を入れ内窓サッシや断熱サッシに交換、風除室増設、熱源はecoジョーズ、照明はLDEに取替え、伝統に安全安心快適性をプラスした空間になっています。
着工前
耐震補強と省エネ施工
完成
2010年完成
津山市の旧出雲街道沿いの城東街並み保存地区(現:津山市城東重要伝統的建造物群保存地区)の一角にある町家住宅を隣家の取り壊しに伴いファサード改修しました。
2010年完成
河野美術館は、津山城鶴山公園の東、旧出雲街道沿いの城東街並み保存地区(現:津山市城東重要伝統的建造物群保存地区)の一角にあります。故河野磐画伯の生家を美術館+住宅に保存改修したものです。
町屋部分は慶応3年(約150年前)、洋館部分は医院として大正7年(約100年前)棟梁坂田茂十郎によって建てられ代々住み継がれてきた建物です。
2009年秋、老朽化による解体の話が持ち上がりましたが、遺したいという周囲の思いや河野氏の深いご理解により、保存改修を行うことになりました。
洋館部分ファサードは建具枠やペディメント・ペンダントなどのディティールを忠実に保存し、塗装は写真資料と被膜層の調査をした結果、建築当初と思われるグレーシュピンクに復元しました。
床板などの古材は再利用し、改修前の落ちついた雰囲気を継承するように再生しています。
【温故知新】古さと新しさが違和感なく同居し、格子から差し込む日差しが時間の刻みを教えてくれる、ゆったりとした空間をお楽しみください。
河野美術館 http://tsuyama-city.musicfactor.jp/kouno/index.html
完成